HG ガンダムTR-6[バーザムII]レジオン鹵獲仕様(A.O.Z RE-BOOT版)


「……破損グランユニット パージ!」


プレミアムバンダイ限定キット、

「HG1/144 ガンダムTR-6[バーザムII]レジオン鹵獲仕様(A.O.Z RE-BOOT版)」の紹介レビューです。


ガンダムTR-6[バーザムII] (※以下バーザムII) は、機動戦士Zガンダムの外伝漫画作品『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』に登場するモビルスーツです。


"装備換装によってあらゆる局面に対応可能な究極の汎用MS" の開発を目的としたティターンズの「TR-計画」、その集大成である「ガンダムTR-6 ウーンドウォート(※以下TR-6)」に「バーザム 」の四肢を換装したTR-6のバリエーション機体の一つ。


「レジオン鹵獲仕様」というのは、ティターンズが解体されたことで紆余曲折ありTR-6は「レジオン」というジオン由来の組織に渡ったという設定によるものになります。

(とてもここに書ききれない量の設定があるので、気になる方は是非インレの本編と付属の設定集を見てみてください)

作品での登場は2巻で、レジオンのMSパイロット「ウェンディ」が搭乗。

「ジオンマーズ」によるMAアッザムを用いたゲリラ戦術 "オメガの嵐" を、本機の"エレノアサテライト・リンクシステム"を用いて撃退する活躍を見せました。


キットの方はバーザムIIのベース機体である「ガンダムTR-6」「バーザム(AOZ)版」に加えて、上記の"エレノアサテライト・リンクシステムのギミックを新規パーツで再現する内容になっています。

発送直後は「TR-6とバーザムのパーツがほぼ丸々入って2機とも組める!」というのがXで話題になっていました。


AOZの中でも1~2位を争うくらい好きなMSなので、大型のキットでしたが塗装多めで仕上げてみたので紹介していきます。


  • 制作

まず、このキットですが物凄く組むのが大変でした。

RGのように「パーツが細かい」とかSEED系のように「色が全然足りない」とかのベクトルではなく「恐ろしく余剰パーツが多い」のです。

そのため、全塗装などしようものならまずは不要なパーツを全部避けることから始めないといけないのですが複数のキットで構成されているためAランナーが3枚あったりしてパーツを探すのにとても時間がかかりました…そういう面では非常に難易度が高いと言えます。

前後から。

擦れがありそうなグレーの関節部分以外は基本的には塗装しました。ツインアイのみはシールで、他の色が足りない箇所は筆塗りなどで補っています。

デカールはレジオンのホイルシールが付属するのでそれを使用しつつ市販のラインデカールを貼って"半光沢"で仕上げました。

顔と胸部のアップ。

「バーザム」の名を冠していますが、組んでみると頭部のベースはそのまんまガンダムTR6であることがわかります。


胸部は華奢なTR6から一転した複雑な追加装甲を纏っていますが、これは全兵器の飛行が禁止されている火星において、レジオンがMSをホバー移動で運用するために採用した追加装備「グランユニット」のものという設定です。

(いずれはグランバーザムなんかも出るんでしょうかね…)


要塗装箇所

元キットの2体の色分けが優秀なこともあり、塗装箇所はとても少な目。

青枠で囲ったスラスターの内部やホバーユニット&ブースターポッドのセンサーなどが要塗装です。

シールなどもあり、かつあまり目立たない部分なのでサクッと組み立てるくらいならほぼ気にならないかも。


分離合体

バーザムの手足を外し、なんちゃってウーンドウォート(TR-6)に。

しかし、肩部分のパーツがTR6の前腕部ではなく新規造形の「胸部装甲」ユニットとなっていて、通常のTR6のように腕を展開することは出来ません。

太ももに装備している円形のパーツはハンドグレネードとその牽引用ラックという設定のようです。

背面にはまんまTR6のブースターポッドが備わっています。


その他

折りたたんだTR-6の脚部にバーザムの足を丸々接続しているので、手が小さく足の長い独特のスタイルになっています。

他の1/144スケールと比較しても一回り大きめのサイズに。

合体モビルスーツらしい密度感や重厚感があってとてもかっこいいです。

反面、可動の方は致命的で派手なポーズなどはかなり難しい構造になっています。

AOZのドラムフレーム構造は腰が回転出来ないのですが、そこに胸部装甲ユニットを経由して接続している腕部に軸だけで接続している脚部なので、上記くらいの可動が精一杯です。

デカール前の状態。

モールドが特別多いわけではありませんが、全身の面が多くスミ入れだけでもとてもカッコよくなると思います。


付属品やギミックを紹介します。


「胸部装甲ユニット」

TR-6の前腕部にあたる装甲スライドさせる事で内部メカを展開可能。

内部はブラック&シルバーでの塗り分けが必要です。


「サブアームユニット」

ウーンドウォート側のフロントアーマーからサブアームを引き出し、展開用のパーツを接続して収納されているビームサーベルを持たせることが出来ます。


両方のギミックを展開して。

意外と内部ギミックがある機体なのですが、本編だと「グランバーザム」時のロングライフルと腕部のビームサーベルだけで戦闘していたので、この辺は丸っきり未使用だったり…


「ホバーユニット」

バーザム(レジオン鹵獲仕様)からのギミック。

脚のアームを引き出して、火星の平地を移動するためのホバーユニットを展開できます。

バーザムII自体あまり安定が良くないキットなので、ポージングするときに地味に役立つギミックです。



「グレネード・ランチャー付きビームライフル」

バーザムのかぎ爪のような独特な形状のビームライフルに、グレネードランチャーが取り付けられた専用装備です。

キットの方もビームライフルのパーツはバーザムのものの流用ですが、接続用のパーツとグレネードランチャーが新規造形になっています。

銃身は成型色ではどちらもグレーですが、今回はメタル系のカラーで塗装してみました。

グレネードランチャーは取り外し可能。

グリップを引き出して銃のように持ったり左腕に牽引することも出来ます。

バーザムの爪のようなビームライフルと同様、普段のガンダム作品では見ない独特のデザインで趣があります。


「エレノアサテライト・リンクシステム」

本キットの目玉ギミック。

サイコミュ兵器の一種で、頭部の巨大なブレードアンテナを展開してガンダムタイプの頭部に変形する「エレノアサテライト・リンクシステム」を再現できます。

再現方法としてはアンテナ部分の差し替えではなく、「頭部を丸ごと交換」する方式。

ツインアイのシールなども2セット分付属。

1/144のスケールで細かいパーツの差し替えは破損が怖いので、個人的にはこの形式はありがたいです。

頭部を差し替えた状態。

形状が変化しているのは頭部だけなのですが、カラーリングも相まってとてもヒロイックな印象へと変化します。

設定的にもガンダムタイプへと"変身"することで、敵味方への心理的効果も与えるとか…

頭部を変形させて何枚か。

ちなみに巨大なサイコブレードが左右の胸部アーマーに微妙に干渉するので、動かしにくいキットが更に動かしにくくなります。

動かない!けれどそれを帳消しにするかっこよさ。

面が多くてどの角度から見ても迫力があって良いですね。


おまけ

アクア・ハンブラビII」と合体させてなんちゃって「アクア・バーザムII」。

2体分AOZのキットが付いてきてるので、色々ミキシングの材料にも良さそうなキットですね。


以下、本編から

「バーザム部隊は前面のドムを抑えろ!」

「しかし、この視界では敵の位置が……!?」

「私には聞こえる……!天空のインレの歌が!!」


火星上空を周回する監視衛星「エレノア」とサイコミュリンクを繋ぎ、ジオンマーズのMSの位置を割り出すバーザムII。

この派手な見た目で情報支援を行うサポート系のMSというのが絶妙な設定ですね。

「火星に仇なす無法者共!!」


「本物のガンダムはやっぱり凄いや」

「GM野郎とは大違いだ…」

「GMのオッサンかぁ 居たなそんなの」


「あの人も逃げずに戦ったかな……」


「HG1/144 ガンダムTR-6[バーザムII]レジオン鹵獲仕様(A.O.Z RE-BOOT版)」の紹介レビューでした。

正直発表されたときは本当にこのMSがキット化されるなんて思ってなかったので、実物を見るまで中々信じられませんでした。

キット自体の出来はというと、実質2体分のパーツが入っていながら新規造形のパーツも多く破格のキットではあるのですが、"最新のガンプラ"として見るとやや厳しい部分はあると思います。


自分は大好きなMSだったので楽しく作れたのですが可動面が特に厳しく、特に腰は一切回転せず、また軸の部分もすぐクタクタになってしまいます。

このユニークな見た目が気に入ったのであれば購入しても良いという感じではないでしょうか。

また、バーザムIIには「TR計画仕様」という青色のバリエーションがあるので、本キットの流用でそちらもいずれ発売されると思います。




(雑談)

気づいたら一月更新が空いてしまっていました…

8月はこのバーザムIIの作業に没頭し、9月は仕事が忙しく中々更新タイミングがありませんでした。

とはいえプラモ自体はちゃんと作っていて、新ブランド30MFに夢中になっていたりAC6の30MMを組んだりしていました。

特に、AC6の「ナイトフォール」は全塗装して仕上げたので次回紹介できると嬉しいです。

それではまた。

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