「強化人間C4-621、『レイヴン』の名を返せとは言いません」
2024年9月より商品展開が始まった新シリーズ30MM ARMORED CORE VIより、「RaD CC-2000 ORBITER ナイトフォール」の紹介レビューです。
商品名がとんでもない長さなのですが、「RaD CC-2000 ORBITER」が胴体パーツの名前で「ナイトフォール」というのがゲーム内での識別名(機体名)となります。
本機は"主役機"というわけではないのですが、シリーズを通しての名称"レイヴン"に関連し、またパッケージを飾っている点などからもAC6を代表する機体と呼んでも差し支えない存在です。
商品としては30MMの"共通の3mm軸で自由にカスタマイズ可能"という拡張性とノウハウを取り込み、ゲーム本編と同様にアセンブルが可能という触れ込みでスタートした新ブランドの第一弾。
ゲーム本編とは若干細部のディテールが異なる部分があるもの、既存のACシリーズのプラモデルよりも安価で手軽にカスタマイズを楽しめるのが魅力となっています。
今年の30MMの生放送で発表されたときは「バンダイで遂にACのプラモデルが出る!」ということでとても話題になりました。(※まあ、ACVのヴェンデッタやハングドマンなどはバンダイから超合金が出ていたりしたのですが…)
原型や試作品が発表された際にはどうしてもコトブキヤシリーズのシャープなパーツ造形と比較され、ネガティブな話題が盛り上がってしまいやや不穏な滑り出しではありましたが、実際に組んでみると非常に良くできているキットとなっていました。
今回は大好きな30MM&ACの夢のコラボ商品ということもあり、全塗装で仕上げています。
待ちに待ったキットなので、本編のネタも含めて細かく紹介していければと思います。
▼制作
30MMシリーズと同様ポリキャップレスで形式ですが、全パーツPS製でKPSが使われている箇所はありませんでした。
また、複雑な色分けをパーツの挟みこみで再現する箇所が多いため一度組んだものをバラしたり、合わせ目を消したりなどはかなり難しい構造になっています。
こういう面から、コアなモデラー向けというよりは素組みで組み換えを楽しむような層に向けた商品としてのアプローチが感じられますね。
成型色はゲーム本編のナイトフォールのサンドカラーというよりは、より兵器然としたライトグレーがメインカラーになっていました。
これも落ち着いた良い色だったのですが、今回の記事のものはゲーム本編のナイトフォールをイメージして全塗装し、つや消しで仕上げました。
その他、本編のイメージでリアルタッチマーカーやウェザリングマスターでいつものガンプラなどより強めに陰影表現を入れています。
デカールは特に使用しておらず、付属の"レイヴン"のエンブレムのホイルシールのみ左肩に貼りました。
機体の色合いを再現するためのホイルシールは付属しておらず、青枠で囲った赤色のセンサー部分は要塗装箇所となっています。
ここがクリアパーツ、または赤色のプラスチックシールなどにしてくれたら本当に100点満点のキットだったのですが、小さすぎてこの価格帯だと難しかったのかなと…
トップコート前の状態
関節のゴールドがやや派手過ぎる印象でやり過ぎたと思ったのですが、つや消しのトップコートである程度落ち着いてくれてよかったです。
▼その他諸々
頭部のアンテナと胴体のクレーン部分ですが、本編のモデリングに比べてどうしても野暮ったい印象。
写真のものは安全ピンを落として少しだけシャープにしています。
スティールヘイズの顎も話題になっていましたが、30MMシリーズは対象年齢が8歳以上用なのでこの辺は仕方ないですね…拘る場合は各自で加工が必要、という感じになってます。
柔軟な可動がウリの30MMですが、AC6シリーズでは造形重視のため可動は控えめ。
手首もボールジョイントではなく軸での接続なので、30MMや最近のガンプラと比較するとちょっと物足りない印象ですが、ACのパーツの構造上仕方ない部分かなと。
30MMの バスキーロットとサイズ比較。
ノンスケールのキットですが、サイズ的には大き目の1/144ガンプラという印象で、SEED FREEDOM系のHGに近しいサイズ感になっています。
武器の持ち手のサイズ感や、武装の取り付け軸が30MMシリーズと共通なので30MMの武装も装備可能。
プラモで未登場の武装でも30MMのパーツをミキシングすればそれっぽいものが作れたりしそうです。
また、今回のキットではAC6プレイヤーを30MMに引き込むための専用の冊子が付属していました。
内容は30MMシリーズの各ラインナップとAC2機の紹介に加えて
スティールヘイズ用の壁越えステージと、ナイトフォール用の旧宇宙港防衛ステージの背景用紙が含まれています。
ただ、それぞれA4程度の大きさなので機体全部を抑えめて撮影したりするのはけっこう難しく、また冊子を立たせるようにしないといけないので使い勝手はイマイチでした。
本格的に使用する場合はカラーコピーを取って再印刷などする方が良さそう。
とはいえ、今までにない新しい試みで面白いと思いました。
ギミックと武装を紹介します。
頭部パーツ「HC-2000/BC SHADE EYE」
ACシリーズ伝統の「EYE」の名を冠する頭部パーツ。
カットシーンでも印象的だった頭部バイザーのON/OFFですが、その両方の状態を再現するための頭部が丸々2つ付属します。
このサイズ感でパーツの一部差し替えは破損が怖いので、かなりありがたい仕様です。
ゲームではターゲットアシスト状態やクイックブーストでバイザーONの状態に。
前述のように赤色部分は全部要塗装なので、バイザーの6か所の赤い点灯は塗ってあげると見栄えが一気に良くなると思います。
武装
武装は本編でナイトフォールが装備していた以下の4種類が付属します。
- 「RF-025 SCUDDER」
- 「PB-033M ASHMEAD」
- 「BML-G1/P32DUO-03」
- 「SONGBIRDS」
※余談ですが、ゲームのコレクターズエディションに付属しているフィギュアとは若干武装の構成が異なっています。(フィギュアでは右腕にベイラム製のサブマシンガンを装備)
「RF-025 SCUDDER」
初期装備であるライフルの二段目、いわゆる強化ライフル。
本編での性能はやや残念でしたが、重厚感のあるシルエットがしっかりと再現されています。
排莢部分が別パーツになっていて、塗り分けしてあげるととても見栄えが良くなるのでおすすめ。
精一杯の射撃ポーズ。
とはいえ本編でアクロバティックな射撃を行うわけではないのであまり気になりません。
「PB-033M ASHMEAD」
所謂「パイルバンカー」です。
パーツの差し替えで収納状態から打突時の延長状態を再現できます。
過去シリーズでもお馴染みの武装でありつつ、ACVまでのプロデューサー鍋島氏が「当たるように作っていない」と公言していたネタ枠かつロマン武器筆頭だったのですが、今作からの敵機の動きが制止する「スタッガー」というシステム&近接武器の誘導性がとても高くなり、非常に強力な武装となりました。
左腕部には3mm軸で固定。
サイズのわりに重量はなくしっかりと保持してくれます。
パイルバンカーを展開して攻撃!
杭の銀色部分も要塗装箇所ですが、グレー一色でもあまり気にならないかも。
「BML-G1/P32DUO-03」/「SONGBIRDS」
肩部武装。
ストーリー攻略において最強武装の一つである武装「ソングバート」と「小型の3連双対ミサイル」の組み合わせ。
それぞれ3mm軸で胴体パーツに接続され、ある程度角度を付けることが出来ます。
"3mm軸で共通のフォーマット"という都合上仕方なかったのだと思うのですが、胴体との接続軸がゲームでのモデリングとは全く異なるデザインになっています。
また、肉抜き穴も非常に目立つので精密に仕上げる場合はここがネックになりそうですね。
「"レイヴン" 通信は聞こえてる...?」
「目標を確認したわ。あれがあなたを騙る傭兵...」
「見せてもらいましょう。借り物の翼で、どこまで飛べるか」
「…キング お疲れ様でした」
「わかっています、レイヴン。今は目の前の敵を…!」
「多重ダム防衛」で遂に仲間になって助けてくれるのかと思ったら、まさかの1vs3で本当に笑いました。
※おまけ
Xでも話題になっていましたが、山田化学の「プラモデル用 連結ディスプレイベース」がサイズ的にちょうどよく昇降用の足場などもあってピッタリでした。
これを塗装したらかなりゲーム本編のガレージに近いものが再現出来るのではないでしょうか。
「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON RaD CC-2000 ORBITER ナイトフォール」の紹介でした。
冒頭にも少し書いたように、試作品の発表後は価格やコンセプトの異なるコトブキヤ製品と比べられていて少しスタッフの方が不憫だなと思っていたのですが、出された商品は素晴らしい出来で文句なしのクオリティになっていて安心しました。
まだまだラインナップは少ないですが、12月には大型商品として四脚タイプの「ライガーテイル」も控えており、今後の商品展開に期待できるのが何より嬉しいですね。
個人的には「スティールヘイズ オルトゥス」が出れば自分のゲームで使用していた機体が作れるので出て欲しいと思っています。
次回は少し変わり種で、「バーンブレイバーン」に登場するメカのモデロイドを紹介する予定です。
それではまた。
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