「悪いがお嬢さん。これはクランバトルじゃなくて、軍事作戦なんだ」
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』より、
HG 1/144 エグザベ専用ギャン(ハクジ装備)の紹介レビューです。
ライバル機の「ゲルググ」が搭乗してから遅れること数話、第7話「マチュのリベリオン」にて登場。
エグザベ・オリベの専用機として、ギャンをより洗練させた"聖騎士"のような出で立ちとキシリアの危機に駆けつける印象的なシーンで視聴者の心を掴んだモビルスーツです。
正史とは異なり「〇〇専用機」というわけではなく、量産されているようで一般カラーの機体も多数登場しました。(一般機のカラーはオリジンの ザクI(キシリア部隊機)のオマージュだと思われる)
商品名の「ハクジ」は右腕の大型ランスのことで、白兵戦用MSのギャンに推進器を兼ねた火器を追加して空間戦闘能力を補った機体…という設定です。
活躍シーンも印象的だったこの「ハクジ」ですが、全長が27mもある設定でそれをそのまま再現してる関係でやや癖のあるキットになっています。
制作時に気になった部分を解説しつつ紹介します。
制作
最新キットではすっかりお馴染みになったポリキャップレスのKPSキット。
両手に武装がある関係で全体的に関節が渋めなので、全塗装する人はパーツがねじ切れないように要注意です。
前後から。
パッと見あまり手が入ってないように見えますが、白部分以外は全部塗装しています。
素組だと胸部や膝のグレーがもう少し白いため"白磁"の名の通り陶器っぽい印象になります。
本編CGにも描かれていた胸部のジオンマークは再現のホイルシールが付属しましたが、少し小さい印象だったので汎用のジオン系のデカールに変更。
各種ライン系は同じく白基調の機体「ミカエリス」用のグラスレー系のものを使用しました。
赤枠が要塗装箇所です。
特に面倒なのが"襟の内部の黒色"と"脚部バーニアのパイプフレーム"で、どちらも塗る難易度はそうでもないのですが、可動時に他の部位と干渉するので塗装後に気を遣う必要があります。
特に脚部パイプフレームは筆塗やマーカーなので軽く塗って済ませたくなる箇所ですが、上記のように腰アーマーと隙間が狭く、普通にポーズを付けていると擦れるので塗膜は強い塗り方にするのが無難ですね。
金のラインは全部メタリックシールでの再現で、記事のものはそのまま付属のシールを使ってます。
太もものラインはモールド等のガイドが一切ないため、シールを一切使用しないで仕上げるのはかなり難易度が高いです。
モノアイはとても小さくまたシールも光沢がない形式なので、Xではモノアイを別パーツに換装したりシールを別のものにする作例が多く見られました。
記事のものはお馴染み カスタマイズマテリアル(3Dメタリックシール)に変更。
一番小さい円形がモノアイのソケットにぴったりハマったのでおすすめです。
ちょうど出しやすいところにいたので、正史のギャンと比較。
並べてみると実は足以外全然似てないことがわかります。(襟がある、肩アーマーがある、腰アーマーがない…等)
武装や全体のシルエットで"ギャン"っぽさを出してるんですね。
背面から。
バックパックと太もものバーニアで進行方向を制御する感じが良くわかります。
デカール前の状態。
本体の造形・プロポーションがとても良いので30MFと合わせてオリジナルの騎士メカを作るみたいな遊び方も楽しそうです。
付属品やギミックを紹介します。
- ビームサーベル刃*2
- ビームサーベル用交換パーツ*2
- ギャン・シールド
- ハクジ
基本的には左右の専用武装&ビームサーベルのみのシンプルな付属品です。
「ハクジ」
本キットの目玉装備。
機体の全高以上の大きさを誇る、電磁ランス&三基のレールガン&推進装置の複合兵装です。
専用持ち手が付属し、それを手首に持たせてランス側に接続する方式。
中央の金ラインはシールが付属しますが、ランス部分の銃口・黒ラインは塗装する必要があります。
あと、厳密にはランスの根元にある円形のガスタンク風のパーツは薄グレーなのですが、一体成型でマスキングが超面倒だったので記事のものでは本体色のままになってます…
ハクジを支えるため、汎用の小さめのアクションベースが付属。
専用のジョイントパーツをランスの側面に差し込む方式で、3mm軸ではなく上手いことデザインに落とし込まれているのが良いですね。
ハクジ装備で前後から
なるべく重量を取らないモナカ構成&専用の持ち手の二弾構えなので、写真のような立った状態でもランスを保持することが出来ます。ただKPSなので経年劣化で組んでしばらくすると難しいかも…
また専用の持ち手がある仕様自体は良いのですが、
手首自体の手の甲のピンが非常に細く、ハクジの付け外しを数回しただけで破損してしまいました…記事のものではハクジ・シールド装備時は共に別キットから流用したパーツを持ち手に接続しています。
ここは正直「通常手首」「ハクジ・シールド用手首」の2種類を付属してほしかったですね…
これから作られる方は、ハクジとシールド用の手首を用意することをお勧めします。
オプションパーツセット ガンプラ 04 (ビルドハンズ 丸型) が形状的にも成型色的にも良さそうです。
ハクジの全高を全て納めた状態。
流石に圧巻のサイズです。関節も硬めになってるので、前述の手首事情だけなんとかすればこの巨大さでも普通にポーズ付けて遊べるのはすごいと思います。
立ちポーズで槍兵っぽくするのも、本編の空間戦闘っぽくするのもかっこいいです。
「ビームサーベル/ギャン・シールド」
正史のギャンと同じレイピア風のサーベル&ラウンドシールドの組み合わせ。
キットのサンプルが出たとき、どうせサーベルは本編で出番ないだろうな…と思ってたらしっかり見せ場があって後でスタジオカラーの方を向いて謝罪しました。
ビームサーベルは腰から柄の部分を取り外し、ビームサーベル用の柄を取り付けて再現。
ここの腰側の接続軸も非常に細いため、引っこ抜く際に折りそうで怖いです。
シールドもそこそこ大きいため、ハクジと同じく専用の持ち手を経由する方式。
写真のものは前述のように手首を別キットから流用してます。
持ち手側の可動軸を引き出して盾の向きを側面から正面に変更可能。
この辺の構造はHGギャンに似た感じですね。
シールドの収納部がオープンして機雷「ハイドボンブ」の射出状態を再現。
六基の収納をガバッと開けるのは玩具的にも楽しいギミックです。
本編ではVSキケロガ戦で使用。
キット解説では"ハイドボンブ"とされてますが、本編では完全に"シールドミサイル"としての描写だったので、若干デザインとCG演出での伝達ミスを疑っています。
手首に可動軸があるのでギャンらしいレイピア風の刺突ポーズが再現出来るのですが、本編でそんな感じは一切なかったので若干エアプ感が出るのでXで良くネタにしていました。
最終回放映後、バンダイの商品ページから所謂"ギャンっぽい"刺突ポーズの写真が消えたのも相まってちょっと面白かったです。
(公式以外のニュース系サイトではまだその辺の写真が確認できます)
せっかくなのでビームサーベル二刀持ちも。
地味にサーベルが二本あるジークアクスのギャンにしかできないポーズだったりします。
以下、本編から
「直上からモビルスーツ!」
「あれエグザベ君?」
「キシリア様ッ!」
一話から登場しながらも、イマイチいいところのなかったエグザベ少尉が新機体で登場!
「サイコガンダム」のサイコミュ兵器をハクジの推進器を生かしたバレルロールで回避し、着地後はグッと腰を落として盾を構えるシーンはジークアクス随一のカッコよさでした。
ララァの同人誌というよりマの同人誌。
「今ジオンが崩壊すれば───、ニュータイプも道つれとなります!!」
VSキケロガ戦。
ランスとシールドで前面に火力と防御を集中するギャン部隊の戦術ですが、
頭上や背面からビームが襲い来るシャリア・ブルの"オールレンジ攻撃"には相性が悪く、エグザベ以外はあっという間に撃墜されてしまい…
"ハクジ"を囮に乾坤一擲の一撃をサーベルで繰り出すギャン。
「彼はそう言っていました」
「彼…?」
「ふざけるな!あんたは…ニュータイプがニュータイプとして生きられる世界を作るんだろ!」
キケロガの頭はジャンクパーツに適当に色を塗ってでっち上げたもの。
ここの台詞、エグザベらしい裏表のない純粋なセリフで好きなんですよね。
HG 1/144 エグザベ専用ギャン(ハクジ装備)の紹介レビューでした。
元々ギャンは大好きなモビルスーツなのですが、ゲルググの例もあって(自分はジークアクスのゲルググがあまり好きではない)どうなるかと不安だったんですが
何なら全編通してジークアクスに負けないくらい戦闘シーンが多い機体で本当に良かったです。
ただキットの方はお世辞にも万人に勧められる出来ではなく、手首の破損しやすさ・塗りにくさ・干渉しやすさ等…要注意ポイントが多いキットです
。
ハクジなしでサーベル持たせて遊ぶだけなら何の不満もないので、そうなると大半はハクジ装備のデザインのせいなんで仕方ない部分もありますね…
逆にモデラーの人にとっては腕の見せ所みたいなポイントが多いので楽しめると思います。
自分も発売後はXで凄腕モデラーさんたちの作例を漁っては感心してます。
今はめちゃ30 MINUTES FANTASY にハマってて、毎晩武器の塗装をちょこちょこやってます。
ただ組み換えまくってるのでレビューというかちょっと記事にしにくいんですよね…
公式のコンテストかなんかがあればそれに出す奴を記事に出来るんですが。
次回更新内容は未定ですが、ギャンと一緒に軽キャノンを購入してるのでそちらを紹介するかも知れません。ギャンと違ってこっちは非常に評判の良いキットのようです。
それではまた
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